Escape to Canadaなる映画を観て来た。映画というよりはちょっとしたテレビの特集番組程度のものので、演出もカメラワークも突っ込みもアマアマのものだったのだが、それがまたマヌケで更に『ぼええええ』なテイストを加味しているとも言える。映画を観て「アメリカには住めないな〜」と思った。ブッシュが再選した時、その狂気の深さにも驚愕したが。映画をみて気がついたのだがカナダのActivistは自分が正しいと思う(そうあるべきだと思う)事を主張するのだが、米国のActivistは自分の考えにそぐわない他者を糾弾するのである。
映画はカナダ人の手でつくられたせいか、米国との違いを同性愛者間結婚とマリファナに絞っていたのだが、カナダのいいところはこういう映画を作って上映しても笑って観る人が大多数なところだと思う。
米国は外国人を外来種として駆逐しそうな気がするが、カナダは渡り鳥として受け入れてくれる。しかも渡り鳥が住み着いても「頑張れや」、とエールさえ送る余裕と間抜けさがあるのだ(いい意味で)。おそらく米国経由でカナダに来る非米国人の殆どは入国審査官のカナダと米国の違いをみただけで「カナダ、そこに存在していてくれてありがとう」思う気がする(自分は実際にそう思ったのだ)。
Canada is boringとかWe are the beaversとか、かなり自虐的な部分を出しているのだが、スマン、それはかなりの確率で事実だ。ギャグにすらなっていないぞ、と突っ込みをいれたい。しかしながら、そういった取り柄のなさというか抜けているところがこれまたカナダの魅力のひとつのような気がする。
映画館は老若男女入り混じった観客がいて、最後は拍手が起こった。おそらく観客の半分くらいは非カナダ人。それでも映画館にいた殆どの人間が、曖昧かつ大胆な国、カナダに住んでいる事をちょっぴり嬉しく思う映画だった。
ちなみにトロントではインディペンデント系の古い映画館の座席に座る時、込合っていない限り、後ろの人がいる前の席には座らないのである。ちゃんとずれて座る。古い映画館だと殆ど傾斜がなく、前の席に座ると後ろの人が見えにくくなってしまう為なのだが、この為に席を選ぶのにめちゃくちゃ悩む人も現れたり(どこの席に座ろうかポップコーンを持ったまま熟考している人もたまにみかける)。こういう小さい配慮がカナダ人なのである。
2006年3月11日から16日までBloor Cinemaにて公開中

