やさぐれ小僧の徒然記

カナダ、トロント在住者の日々のよしなしごと。

Pan's labyrinth

2007/01/27

Pan's labyrinth を観て来た。てっきりファンタジーと思っていたら、思いっきり、戦争映画でもあって、残虐性と暴力性がかなり強い作品だった。

素晴らしい映画なのだが、人に薦めるかというと薦められない。

真に『痛い』映画なのだ。なので、精神的にかなりヤられてしまう。

続き、ネタばれあり。
この映画の設定は1941年になっている。『(1939年に)Civil warは終わったが...』ということで話が進む。驚いたのが、スペインのファシストの支配の歴史が終わったのは1975年。つい30年程前だ。自分は全然これを知らなかった。

映画の『森の人々』は40年、政権転覆(変換)を望み闘い続け、待ち続けることになる。しかもそれは独裁者の死によってやっともたらされたもので、その間、延々と紛争があったことになる。

主演の少女のかわいらしさやディティールのうまさ、映像の美しさがある故、かえって残虐さをひきたたせて、辛く悲しいのだ。

フェアリーテール(おとぎ話)が実は残虐というのはよく言われることであるが、本当にこの映画は厳しい現実を容赦なく映像にしてある。

少女が見ていたものが現実なのか空想なのかもよくわからない。ただ、ものすごく悲しい気分にさせられる映画だ。

お伽話部分も非常にうまく、そしてめちゃくちゃ恐い。悪夢の不条理さと残虐さをそのまま映像にしてしまった感じでその手腕は特筆に値する。

人間関係も細部まで描写されていて、演技も素晴らしい。正直、映画にのめり込んでこれがつくりごとだというのを忘れてしまうほど。なので、映画を見終わったあとのやるせなさと悲しさに押しつぶされそうになる。
  1. 2007/01/30(火) 14:48:32|
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